県立不動岡高校は、埼玉県加須市にある創立140年目の伝統ある公立進学校です。明治19年(1886年)に創立された埼玉県内最古の県立学校として、「質実剛健」「文武両道」「不撓不屈」「進取の気風」という校風のもと、3万人を超える卒業生を社会に送り出してきました。
2024年度に外国語科と普通科の統合を完了し、「不動岡5.0」と呼ばれる新カリキュラムによるリベラルアーツ教育を展開しています。
県立不動岡高校の入試倍率と偏差値入学難易度(偏差値)
- みんなの高校情報:66
- W模擬|新教育スクールガイドウェブ:62(60%水準)
- 市進高校受験情報ナビ:63(80%水準)
県内有数の進学校として高い偏差値を維持しており、普通科66という水準は埼玉県内でもトップレベルの学力を持つ生徒が集まることを示しています。
入試倍率
普通科の倍率推移
年度 | 志願倍率 | 志願確定倍率 | 受検倍率 | 合格倍率 |
---|---|---|---|---|
2025年度 | 1.36倍 | 1.35倍 | 1.35倍 | 1.35倍 |
2024年度 | 1.38倍 | 1.33倍 | 1.33倍 | 1.33倍 |
2023年度 | 1.33倍 | 1.30倍 | 1.30倍 | 1.30倍 |
2022年度 | 1.22倍 | 1.23倍 | 1.22倍 | 1.22倍 |
入試倍率は1.2倍台から1.3倍台で推移しており、安定した人気を保っています。2025年度は1.35倍と適度な競争率となっています。
県立不動岡高校の歴史と伝統
県立不動岡高校は明治19年(1886年)11月に「私立埼玉英和学校」として創立され、2025年度で創立140年目を迎える埼玉県内最古の県立学校です。明治23年に第1回卒業式を挙行し、その後「私立埼玉中学校」「埼玉県立不動岡中学校」を経て、昭和23年に現在の「埼玉県立不動岡高等学校」となりました。
昭和25年に男女共学を開始し、平成2年には外国語科を新設するなど、時代の要請に応じた教育改革を続けてきました。令和4年からは外国語科の募集を停止し、令和6年にすべての学年で普通科への統合を完了。外国語科で培ってきた国際教育のノウハウを全生徒に提供する新体制となりました。
長い歴史の中で3万人を超える卒業生を輩出し、国内外で活躍する様々な分野のリーダーとして社会に貢献しています。
県立不動岡高校の立地と最寄り駅、周辺環境
所在地とアクセス
所在地 | 埼玉県加須市不動岡1-7-45 |
アクセス方法 | ・東武伊勢崎線加須駅北口下車徒歩20分 ・朝日バス「加須駅北口」より5分「不動岡高校前」下車徒歩2分 ・朝日バス「鴻巣駅東口」より45分「不動岡高校前」下車徒歩2分 |
周辺環境
埼玉県北東部の加須市に位置し、静かで学習に適した環境が整っています。加須駅からは徒歩20分と適度な距離にあり、バスでの通学も可能です。通学生の出身地域は加須市、久喜市、鴻巣市、さいたま市、春日部市、白岡市が特に多く、県外(館林市や古河市など)からの進学者も毎年30~40名います。
周辺は住宅地と自然が調和した環境で、勉学と部活動に集中できる立地となっています。
県立不動岡高校の校風と教育方針
教育目標
「質実剛健を尊び、教育基本法及び学校教育法に掲げられた教育の目標を踏まえ、『明日の世界を創造する品格あるリーダー』の育成」と「『科学教育と国際理解教育の拠点校として』地域文化への貢献」を使命としています。
特色ある教育活動
不動岡が求める”育つ”生徒の姿
- 文理の枠を超える:全教科・全授業を全身全霊で取り組む
- 出すぎた杭になれる:他人との違いを「持ち味」として突き詰める
- 遠回りを恐れない:楽な近道を求めず、悩み苦労することの価値を理解
- 納得する力を持てる:他人の見方から自分のオリジナルを生み出す
- 泥臭くあれ:地道に一歩ずつ歩みを進める
- 諦め悪くあれ:失敗を「発見」として捉え、諦めない強さを持つ
不動岡5.0(新カリキュラム)の特徴
- 普通科と外国語科の融合による先進的教育
- 第二外国語(中国語・ドイツ語・フランス語)の全員選択可能
- 英語4技能を磨くアウトプット中心の実践的授業
- 文理の枠を越えた学力育成
- 3年間を通じた探究活動の実施
リベラルアーツ教育の実践
従来の文系・理系という類型を超えた教科横断型の学習を重視し、複数の見方・考え方を身につけることを大切にしています。これは昨今の大学入試問題にも対応した先進的なシステムとなっています。
独自の校風
「質実剛健」「文武両道」「不撓不屈」「進取の気風」という4つの校風のもと、伝統に根ざした質の高い教育を実践しています。創立以来の「進取の気風」により、常に時代の先端を行く教育改革を続けており、現状に留まらず新しい教育を実践し続けています。
また、全生徒が1人1台のiPadを使用し、あらゆる場面でICTを活用した教育活動のDX化を積極的に図っています。
県立不動岡高校の進路・進学実績
進路・合格者の推移
2025年3月卒業生の進学状況
- 現役合格者総数: 1,402名
- 国公立大学合格者: 102名(7.3%)
- 私立大学合格者: 1,300名(92.7%)
同校が掲げる「国公立大学100名以上の合格」という目標を上回る102名の国公立大学合格を達成し、私立大学においても質的向上が顕著に見られます。
主な大学・短大・専門学校合格実績
国公立大学(2025年3月卒)
最難関大学(東京一科医): 3名
- 京都大学: 1名
- 東京科学大学: 1名
- 一橋大学: 1名
難関大学(旧帝大): 2名
- 北海道大学: 1名
- 名古屋大学: 1名
準難関大学(TOCKY): 16名
- 筑波大学: 8名
- 千葉大学: 5名
- お茶の水女子大学: 1名
- 神戸大学: 1名
- 横浜国立大学: 1名
関東圏主要国公立: 56名
- 埼玉大学: 17名
- 宇都宮大学: 6名
- 東京学芸大学: 4名
- その他: 29名
私立大学(2025年3月卒)
早慶: 22名
- 早稲田大学: 17名
- 慶應義塾大学: 5名
上智・理科・ICU: 39名(大幅増加)
- 東京理科大学: 22名
- 上智大学: 17名
GMARCH: 273名(高水準維持)
- 立教大学: 77名
- 明治大学: 64名
- 法政大学: 58名
- その他: 74名
成成明学獨國武: 180名
- 獨協大学: 76名(地理的近さを活かした実績)
日東駒専: 238名
- 東洋大学: 166名

進路指導の特徴
「一人ひとりを強くする。そして団体戦で勝つ。」という不動岡流進学アドバンスを展開し、以下の目標を掲げています。
- 国公立大学100名以上の合格を目指す
- 現役合格率80%を達成させる
- センター試験得点率70%以上の学力をつける
- 教え合い励ましあう本当の仲間づくり
3年間を通じた体系的な「F-プラン」により、『選択力』『社会力』『表現力』を総合的に育成し、小論文指導に特に力を入れています。朝学習の推奨、年間15回程度の土曜授業、充実した進学補習により、確実な学力向上を図っています。
県立不動岡高校のイベント・学校行事
主な年間行事
春の行事(4月〜6月)
- 4月: 入学式、学習オリエンテーション、対面式・始業式
- 5月: PTA総会・保護者会、中間考査、市中パレード・体育祭
- 6月: 文化祭、オープンキャンパス、卒業生との懇談会、キンガロイ高校本校訪問
夏の行事(7月〜8月)
- 7月: 期末考査、スポーツ大会、オーストラリア海外研修、第1回学校説明会
- 8月: 夏期補習、第2回・第3回学校説明会
秋の行事(9月〜11月)
- 9月: 始業式、芸術鑑賞会
- 10月: 徒歩ラリー、中間考査
- 11月: ポプラカップスピーチコンテスト、面談
冬の行事(12月〜3月)
- 12月: こいのぼりマラソン大会、期末考査、ダンス発表会
- 1月: 始業式
- 2月: 生徒総会
- 3月: 生徒研究発表会、卒業式、マレーシア研修
特色ある行事
- 市中パレード: 千方神社での出陣式から始まり、加須駅前を通る伝統行事で、文化祭の宣伝と交通安全の呼びかけを行います。
- 体育祭: 各クラスが制作する6m×4m×10枚の巨大団旗が特徴的で、応援部のリーダーシップのもと全校生徒が一丸となります。
- 文化祭: 美術部制作のポスター・パンフレット、書道部による学校祭テーマ旗、中庭での縁日など、生徒主体の多彩な企画が展開されます。
- 徒歩ラリー: 学校から利根川の土手まで歩き、クラスごとに昼食を作る自然体験行事です。
- 国際交流行事: オーストラリア研修、マレーシア研修、姉妹校キンガロイ高校との相互交流など、充実した国際プログラムを実施しています。
県立不動岡高校の部活動や課外活動
運動部
全国・関東大会出場実績
- 陸上競技部: 全国高校総体女子走高跳出場、関東高校陸上女子走高跳6位
- 剣道部: 関東高校剣道大会県予選会女子団体ベスト16
- バドミントン部: 関東公立高等学校バドミントン大会団体戦ベスト16
その他、野球部、サッカー部、ラグビー部、水泳部、各種球技部も県大会レベルでの活躍を見せています。
文化部
全国レベルの実績
- 吹奏楽部: 埼玉県吹奏楽コンクール県大会銀賞、アンサンブルコンテスト金賞多数
- 新聞部: 全国総文祭ぎふ総文出場、全国高校新聞年間紙面審査賞優良賞
- 競技かるた部: 全国競技かるた横浜大会E級優勝、関東地区大会埼玉県代表
- 軽音楽部: MUSIC DAYS 2024北埼玉大会最優秀賞
音楽部、箏曲部、書道部、写真部なども県レベルでの優秀な成績を収めています。

特色ある活動
- 国際交流: オーストラリアのキンガロイ高校との姉妹校提携により、相互交流や海外研修(費用50~60万円程度)を実施しています。
- 探究活動: 1年次から3年次まで継続的な探究学習を行い、代表者は外部コンテストにも出場します。一般財団法人三菱みらい育成財団の助成を受け、より深い探究環境が整っています。
県立不動岡高校の施設と環境
主な施設
校舎施設
- ホームルーム棟: 各学年の教室とラウンジを配置した4階建て校舎
- メディア棟: 不動岡ホール(視聴覚室)とメディアセンター(図書館)
- 教科研究棟: 各教科の専門教室と天文台を備えた4階建て
- 記念館・食堂: 大会議室と食堂施設
学習環境
- 全教室にICT環境整備(生徒1人1台iPad使用)
- 各階にラウンジやギャラリーを配置した開放的空間
- 物理・化学・生物の専門実験室
- 情報学習室、音楽室、美術室、調理実習室、被服実習室
特色ある施設・環境
体育施設
- 体育館・小体育館: バスケットボール、バレーボールなど多目的利用
- 格技場: 1階柔道場、2階剣道場、卓球場も併設
- プール: 50m×20m、9コースの本格的な競技用プール
- 各種グラウンド: 東・中央・北グラウンドとテニスコート
その他の特色ある施設
- 天文台: 教科研究棟4階に設置された本格的な天体観測施設
- 「不動岡」資料展示室: 140年の歴史を物語る貴重な資料を展示
- 空中庭園: 教科研究棟2階の憩いのスペース
- 中庭・憩いの広場: 生徒の交流と休息の場
最新の教育環境
- 全館Wi-Fi環境完備
- 1人1台iPad環境(初期費用約11,000円、月額2,300円)
- リハーサル室、放送室などの充実した設備
140年の伝統ある校舎と最新のICT環境が調和し、文武両道を実践する生徒たちが充実した高校生活を送れる環境が整っています。
140年の伝統×最新教育!不動岡のリベラルアーツ教育
県立不動岡高校は、明治19年創立から140年の伝統を誇る埼玉県最古の県立学校でありながら、常に時代の先端を行く教育改革を続けています。2025年の進学実績では国公立大学102名で目標を達成し、上智・理科・ICU群39名の大幅増加など質的向上が顕著に表れました。
2024年に完了した外国語科との統合により「不動岡5.0」新カリキュラムを展開し、全生徒が第二外国語や高度な国際教育を受けられる環境を実現しました。文理の枠を超えたリベラルアーツ教育と3年間の探究活動により、「明日の世界を創造する品格あるリーダー」を育成しています。
「質実剛健」「文武両道」「不撓不屈」「進取の気風」という校風のもと、3万人を超える卒業生を輩出してきた伝統と、ICT教育や国際交流の最新プログラムが融合した同校は、中学生の皆さんにとって確かな学力と豊かな人間性を兼ね備えた真のリーダーへと成長できる最適な学習環境となることでしょう。
