県立浦和西高校は埼玉県さいたま市浦和区にある公立の進学校として、昭和9年の開校以来90年の歴史と伝統を誇ります。「自主自立」の精神のもと、3つのC(Challenge・Creativity・Communication)を軸とした教育により、「西高力」と呼ばれる独自の問題解決能力を育成しています。
偏差値65~66という高い学力水準を維持しながら、40余の部活動が活発に活動し、令和6年には県立高校初の人工芝グラウンドを整備するなど、最新の教育環境も充実しています。近年は早慶上理医86人、GMARCH320人という飛躍的な進学実績を達成し、埼玉県内でも注目される進学校として確固たる地位を築いています。
県立浦和西高校の入試倍率と偏差値
入学難易度(偏差値)
県立浦和西高校の偏差値は以下の通りです。
- みんなの高校情報:66
- W模擬|新教育スクールガイドウェブ(60%水準):66
- 市進高校受験情報ナビ(80%水準):65
複数の模試データを総合すると、偏差値65~66の範囲にあり、県内でも上位レベルの学力が求められます。埼玉県内の公立高校の中でも難関校として位置づけられており、確実な合格には相応の学力準備が必要です。
入試倍率
過去4年間の入試倍率の推移は以下の通りです。
年度 | 志願倍率 | 志願確定倍率 | 受検倍率 | 合格倍率 |
---|---|---|---|---|
2025年度 | 1.48倍 | 1.45倍 | 1.44倍 | 1.43倍 |
2024年度 | 1.45倍 | 1.43倍 | 1.41倍 | 1.41倍 |
2023年度 | 1.47倍 | 1.45倍 | 1.43倍 | 1.43倍 |
2022年度 | 1.60倍 | 1.56倍 | 1.55倍 | 1.54倍 |
合格倍率は1.4~1.5倍程度で推移しており、安定した人気を保っています。2022年度は1.54倍と高めでしたが、その後は1.4倍台で安定しており、適度な競争環境となっています。
県立浦和西高校の歴史と伝統
県立浦和西高校は昭和9年(1934年)に「埼玉県立浦和第二高等女学校」として開校し、90年の歴史を誇る伝統校です。昭和23年に学制改革により「埼玉県立浦和第二女子高等学校」となった後、昭和25年に現在の校名「埼玉県立浦和西高等学校」に改称し、同時に男女共学校となりました。
昭和31年にサッカー部が全国優勝を果たし、昭和40年にも再び全国制覇を成し遂げるなど、早くから文武両道の校風を確立してきました。平成29年にはサッカー部が全国高等学校総合体育大会に出場するなど、現在も高い競技レベルを維持しています。
令和6年には創立90周年を迎え、記念講演会の開催や記念誌の発行とともに、第1グラウンドを県立高校初の人工芝グラウンドに改修するなど、伝統を受け継ぎながらも常に進化を続けています。
県立浦和西高校の立地と最寄り駅、周辺環境
所在地とアクセス
住所 | 埼玉県さいたま市浦和区木崎3-1-1 |
アクセス | 与野駅 東口から徒歩約20分 さいたま新都心駅 東口1番乗場からバス「西高前」下車 |
周辺環境
浦和西高校は閑静な住宅街に位置し、緑豊かな環境に恵まれています。学校には「西高坂」と呼ばれる坂道があり、木々に囲まれた自然豊かなキャンパスが特徴です。さいたま新都心駅からもアクセスしやすく、都心部への交通の便も良好です。
周辺には浦和区役所や図書館などの公共施設があり、教育環境として非常に優れた立地にあります。また、「西高斜面林友の会」との連携により、地域の自然環境保護活動にも積極的に取り組んでいます。
県立浦和西高校の校風と教育方針
教育目標
浦和西高校では以下の3つを教育目標としています。
- 自主自立の精神と豊かな知性と情操を養い、心身ともに健全なる社会人の育成を期する
- 個人の尊厳を重んじて、才能と特性に応じて個性の確立をはかる
- 人間相互の信頼関係を深く理解させる
また、目指す学校像、西高生像も掲げています。
- 目指す学校像: 自主自立の精神を生かして、国際社会に貢献できる人材を育成し、地域に信頼される進学校
- 理想の西高生像: 正しく、賢く、しなやかに、力強く、心優しく、社会と関わり、牽引していく若者
特色ある教育活動
3つのCによる教育プログラム
- Challenge(挑戦): 高い理想と志の実現に向けて、生徒の学力を最大限に伸ばし、果敢に挑戦し続け、生涯学び続ける力を育成
- Creativity(創造力): 予測不能な社会において、自ら考え課題を設定し、解決策を生み出す力を育成し、地域や国際社会に貢献できる真のリーダーを育成
- Communication(コミュニケーション): 多文化共生時代において、多様性を尊重してより良い人間関係を築き、他者と協調・協働しながら新しい時代を切り拓く力を育成
西高力の育成
「西高力」とは「自ら考え、課題を発見し、その課題を解決する力」として定義され、3年間の学習・学校行事・部活動を通じて育成されます。
3つの柱による人材育成
- 確かで高度な学力: 学力の3要素を確実に育み、第一志望の進路を実現
- 信頼される人間力: 問題解決力・創造的思考力・リーダーシップを育成
- たくましく健やかな心身: 最後までやり抜く精神力と豊かな情操を培う
独自の校風
「自主自立」の精神を基盤とした校風が特徴で、生徒会活動や学校行事は生徒の自主的な活動により企画・運営されています。生徒準則として「簡素・清潔・軽快」を掲げ、品位ある学校生活を送ることを重視しています。
iPadを活用した先進的な教育環境と、県立高校初の人工芝グラウンドなど最新の施設を備えながらも、90年の伝統に裏打ちされた確固たる教育理念を大切にしています。
県立浦和西高校の進路・進学実績
進路・合格者の推移
2025年3月卒業生の延べ合格者数は1,232人となり、そのうち国公立大学51人(4.1%)、私立大学1,181人(95.9%)という結果でした。過去4年間で質的な向上が顕著に表れており、特に上位大学群での飛躍的な実績向上が注目されます。
主な大学・短大・専門学校合格実績
2025年3月卒業生の主な合格実績
大学群 | 合格者数 | 前年比 |
---|---|---|
早慶上理医 | 86人 | +46人 |
GMARCH | 320人 | +48人 |
成成明学獨國武 | 126人 | -43人 |
日東駒専 | 266人 | -27人 |
国公立大学 | 51人 | 0人 |
特に早慶上理医への合格者が86人と前年から46人の大幅増加を達成し、GMARCHでも320人と過去最高の実績を記録しました。
最難関大学合格実績
- 京都大学: 1人
- 東京科学大学: 1人
- 早稲田大学: 29人
- 上智大学: 23人
- 東京理科大学: 28人

進路指導の特徴
3本柱による進路指導
- 自己理解: 1年次から自分の適性と可能性を深く理解
- 進路理解: 幅広い職業・学問分野への理解促進
- 実力向上: 第一志望実現に向けた確実な学力向上
具体的な指導プログラム
- スプリングセミナー: 1年生全員対象の学習オリエンテーション
- サマーセミナー: 3年生希望者による3泊4日の学習合宿(1日10時間以上)
- 個人面談: 年3回の担任による個別指導
- 高大連携事業: 埼玉大学との連携による大学単位修得機会
県立浦和西高校のイベント・学校行事
主な年間行事
浦和西高校では1年を通じて多彩な行事が実施され、生徒の自主性と協調性を育成しています。
時期 | 主な行事 |
---|---|
4月 | 入学式、新入生オリエンテーション、1年生スプリングセミナー |
5月 | 生徒会選挙、生徒総会、校外学習 |
6月 | 開校記念日(6月1日)、西高祭(体育祭)、三者面談 |
7月 | 球技大会、サマーセミナー、海外研修(オーストラリア) |
8月 | 夏季休暇、部活動合宿 |
9月 | 西高祭(文化祭)、大学生出張講座 |
10月 | 2年修学旅行 |
11月 | マラソン大会、生徒会選挙 |
特色ある行事
西高祭(体育祭・文化祭)
6月の体育祭と9月の文化祭は「西高祭」として位置づけられ、生徒の自主的な企画・運営により実施されます。「自主自立」の精神を最も体現する行事として重要視されています。
スプリングセミナー・サマーセミナー
1年生全員参加のスプリングセミナーと3年生希望者のサマーセミナーは、学習習慣の確立と集中的な学力向上を図る特色ある取り組みです。
オーストラリア研修
希望者を対象とした海外研修では、実践的な英語力向上と国際理解を深める機会を提供しています。
マラソン大会
11月に実施されるマラソン大会は、たくましい心身の育成を目的とした伝統行事です。
県立浦和西高校の部活動や課外活動
運動部
浦和西高校には多彩な運動部があり、全国レベルの実績を残す部活動も多数あります。部活動加入率は102.9%(兼部を含む)と非常に高く、多くの生徒が積極的に活動しています。
主要運動部の実績
- サッカー部: 全国高等学校総合体育大会出場(平成29年度)、県予選優勝
- 弓道部: 関東大会出場、県予選男子団体3位・個人5位
- 男子ハンドボール部: 関東大会県予選ベスト16
- 女子ハンドボール部: 関東大会県予選5位
- 水泳部: 県大会女子100m平泳ぎ6位、女子50m平泳ぎ5位
- テニス部: 学校総合体育大会県大会出場
文化部
文化部も活発な活動を展開し、多くの部が全国レベルの実績を上げています。
主要文化部の実績
- 書道部: 県展覧会推薦賞3名、県硬筆展覧会推薦賞4名
- 管弦楽部: 全国高等学校総合文化祭和歌山大会特別賞
- 美術部: 全国高等学校総合文化祭和歌山大会出場
- 生物部: 県科学教育振興展覧会分野別審査優秀賞
- 競技かるた部: 県高等学校かるた大会ベスト8
- 放送部: NHK杯全国高校放送コンテスト出場
特色ある活動
ミュージックアソシエイション部(M.A.)
134名という大所帯で活動する音楽系部活動として、学校内外で活発な演奏活動を展開しています。
西高斜面林友の会との連携
地域の自然環境保護活動として、斜面林の保全作業に生徒が参加し、環境教育の実践を行っています。
県立浦和西高校の施設と環境
主な施設
- 浦和西高校のキャンパスには充実した教育施設が整備されています。
- 人工芝グラウンド:令和6年整備、県立高校初の人工芝グラウンド
- 第2グラウンド:多目的運動場
- 体育館・格技場:メインアリーナと武道施設
- 図書館:蔵書約49,000冊、CD1,045点
- 五十周年記念館:食堂兼ミーティングルーム
- 50mプール:8コース、部室・宿泊施設併設
- テニスコート:複数面完備
特色ある施設・環境
県立高校初の人工芝グラウンド
令和6年に第1グラウンドを人工芝に改修し、県立高校として初の取り組みとなりました。安全性の向上と活動の活性化が期待されています。
充実した図書館
約49,000冊の蔵書とCD1,045点を所蔵する図書館は、月~金曜日の8:40~16:50まで開館しており、生徒の学習活動を支援しています。貸出期間は図書2週間、CD・雑誌1週間となっています。
iPad活用環境
令和6年度入学生より一人一台端末として「iPad」を導入し、授業支援アプリによる教材配布や課題提出、双方向的な授業を実現しています。
緑豊かなキャンパス
「西高坂」と呼ばれる坂道を上った先にある校舎は木々に囲まれ、図書館からは音楽室の管弦の音色が聞こえる落ち着いた環境です。
合宿所兼格技場
埼玉県の防災拠点施設としても機能する宿泊可能な施設を備え、部活動の合宿や各種研修に活用されています。
90年の伝統と最新設備が融合した埼玉県内屈指の進学校
県立浦和西高校は偏差値65~66という高い学力水準と、早慶上理医86人・GMARCH320人という飛躍的な進学実績により、埼玉県内でも注目される進学校として確固たる地位を築いています。「自主自立」の精神のもと、3つのC(Challenge・Creativity・Communication)による教育プログラムと独自の「西高力」育成により、国際社会で活躍できる真のリーダーを育成しています。
県立高校初の人工芝グラウンドやiPad活用など最新の教育環境を整備しながらも、90年の歴史に培われた伝統的な校風を大切にし、40余の部活動が全国レベルの実績を残すなど、文武両道を体現する理想的な学習環境を提供している名門校です。
