埼玉県立川越高等学校は、明治32年創立の伝統ある男子校として、「克己・進取・至誠」の校訓のもと、進学型単位制による個別最適化された教育を実践しています。2025年3月卒業生(352人)の進学実績では、国公立大学138人(39.2%)、私立大学を含む延べ合格者数730人という優秀な結果を残しました。
東京大学6人、京都大学3人をはじめ、一橋大学6人、東京科学大学5人など難関国公立大学への合格実績を誇り、私立大学でもGMARCH255人合格という充実した成果を上げています。文武両道を実践し、運動部からも難関大学合格者を輩出する同校の教育力について、詳細な進学実績とその特徴を解説します。
県立川越高校現役生の大学合格状況|2025年3月卒
2025年3月卒業生352人の進学実績概要:
項目 | 合格者数 | 割合 |
---|---|---|
卒業生数 | 352人 | – |
延べ合格者数 | 730人 | 100.0% |
国公立大学 | 138人 | 39.2% |
私立大学 | 605人 | 82.9% |
卒業生1人あたり私立大学合格数 | 1.72 | – |
川越高校の特徴として、国公立大学合格率が39.2%と非常に高い水準にある点が挙げられます。これは埼玉県内の公立高校の中でもトップクラスの実績であり、進学型単位制による個別最適化された教育の成果といえます。
県立川越高校の国公立大学の現役合格状況
最難関大学|東京一科+医学部医学科への現役合格状況
大学名 | 合格者数 | 前年比 |
---|---|---|
東京大学 | 6人 | +3人 |
京都大学 | 3人 | +3人 |
東京科学大学(旧東工大) | 5人 | -2人 |
一橋大学 | 6人 | -1人 |
国公立医学部医学科 | 2人 群馬・長崎 | ±0人 群前・愛媛 |
合計 | 22人 | +3人 |
最難関大学への合格者は22人で、卒業生の6.3%に相当する優秀な実績です。東京大学6人、一橋大学6人、東京科学大学5人という結果は、川越高校の高い学力レベルと理系・文系両分野でのバランスの取れた教育を示しています。
特に一橋大学への6人合格は、社会科学分野での強さを表しており、将来の経済界リーダーとして期待される人材を育成しています。京都大学3人は関西の名門大学への挑戦意欲を示し、医学部医学科2人は地域医療を担う人材として貴重な存在です。
難関大学|旧帝大(東大・京大除く)への現役合格状況 ※医学部除く
大学名 | 合格者数 | 前年比 |
---|---|---|
北海道大学 | 8人 | +4人 |
東北大学 | 10人 | -5人 |
名古屋大学 | 0人 | -2人 |
大阪大学 | 0人 | ±0人 |
九州大学 | 2人 | +2人 |
合計 | 20人 | -1人 |
旧帝大への合格者20人は前年の21人から微減しましたが、依然として高い水準を維持しています。東北大学10人は地理的な近さと研究環境の充実により、川越高校生に人気の選択肢となっています。北海道大学8人は前年から大幅増となり、自然豊かな環境での学びを求める生徒が増加していることがうかがえます。九州大学2人は九州地方での学びを求める意欲的な選択で、全国規模での進学志向を示しています。
準難関大学|TOCKY(筑波・お茶の水女子・千葉・神戸・横国)への現役合格状況 ※医学部除く
大学名 | 合格者数 | 前年比 |
---|---|---|
筑波大学 | 3人 | -3人 |
千葉大学 | 9人 | +6人 |
横浜国立大学 | 11人 | +6人 |
神戸大学 | 0人 | ±0人 |
お茶の水女子大学 | 0人 | ±0人 |
合計 | 23人 | +9人 |
TOCKY群では23人と前年の14人から大幅増となり、特に横浜国立大学11人、千葉大学9人の実績が目立ちます。横浜国立大学首都圏の国公立大学として高い人気を集めており、実践的な工学教育と就職実績の良さが川越高校生に評価されている結果といえるでしょう。千葉大学9人は、研究環境の充実と関東圏でのアクセスの良さ、筑波大学3人は研究重視の教育を求める生徒の選択などで、将来の研究者を目指す人材に適した環境を提供しています。
関東圏国公立大学への現役合格状況 ※医学部除く
大学名 | 合格者数 | 前年比 |
---|---|---|
埼玉大学 | 20人 | +10人 |
東京農工大学 | 15人 | +9人 |
電気通信大学 | 5人 | -2人 |
東京学芸大学 | 3人 | ±0人 |
東京都立大学 | 3人 | +2人 |
東京海洋大学 | 2人 | +2人 |
その他 | 2人 | -1人 |
合計 | 50人 | +20人 |
埼玉大学20人は地元志向の現れで、地域に根ざした教育者・技術者として将来の活躍が期待されます。東京農工大学15人は工学部・農学部への進学が中心で、実践的な技術教育と研究環境の充実が評価されています。電気通信大学5人は情報工学分野での専門性を求める生徒の選択で、IT社会での活躍が期待されます。これらの大学群は就職実績も優秀で、川越高校生の堅実な進路選択を示しています。
その他国公立の合格状況
その他の国公立大学への合格者数は23人で、地方国公立大学への挑戦も積極的に行われています。全国各地の大学への進学により、多様な地域での学びと将来のネットワーク形成が期待されます。
県立川越高校の私立大学の合格状況|2025年3月卒
私立大学の合格者数は605人で、川越高校生の多くが国公立大学と併行して私立大学も併願している状況がわかります。
私立最難関大学|早慶上理医への現役合格状況
大学群 | 合格者数 | 私立延べ合格比 | 主要大学の内訳 |
---|---|---|---|
早慶医 | 97人 | 16.0% | 早稲田65人、慶應32人、私立医学部3人 |
上智・理科大 | 64人 | 10.6% | 上智8人、東京理科大56人 |
合計 | 161人 | 26.6% |
早慶上理への合格者161人は、卒業生352人の45.7%、私立大学合格者の26.6%に相当する素晴らしい実績です。早稲田大学は総合大学としての多様性が川越高校生に高く評価されています。慶應義塾大学伝統的な就職実績の高さと実学重視の教育が支持されています。東京理科大学56人合格は川越高校の理系教育の成果を如実に示しており、工学部、理学部、薬学部への進学を通じて、科学技術分野での専門性を磨く人材を輩出しています。私立医学部医学科3人は医療人材育成への貢献を示し、上智大学8人は国際性豊かな教育環境を求める生徒の選択となっています。
私立難関大学|GMARCHへの現役合格状況
大学名 | 合格者数 | 私立大延べ合格比 |
---|---|---|
明治大学 | 96人 | 15.9% |
法政大学 | 59人 | 9.8% |
中央大学 | 41人 | 6.8% |
立教大学 | 34人 | 5.6% |
学習院大学 | 14人 | 2.3% |
青山学院大学 | 11人 | 1.8% |
合計 | 255人 | 42.1% |
GMARCH255人は非常に充実した実績で、川越高校生の主要な併願校群となっています。明治大学96人が群を抜いて多く、法政大学59人、中央大学41人、立教大学34人と続きます。これらの大学群は首都圏での就職実績も安定しており、川越高校生の着実な進路選択を表しています。
その他私立大学への現役合格状況
大学群 | 合格者数 | 主要大学 |
---|---|---|
芝浦工業大学 | 58人 | 芝浦工大58人 |
その他大学 | 131人 | 成成明学獨國武・日東駒專・大東亜帝国など |
理系単独大学としてMARCHと肩を並べる難易度の芝浦工業大学58人の合格となっており、同大学の実践的な工学教育と優秀な就職実績が川越高校生に高く評価されていることがわかります。その他大学131人なっており、多様な進路選択が可能な環境を示しています。
県立川越高校現役生の合格状況の推移|2021年~2025年
3年間の基本データ推移
年度 | 卒業生数 | 国公立合格者数 | 国公立合格率 | 私立合格者数 |
---|---|---|---|---|
2025年 | 352人 | 138人 | 39.2% | 605人 |
2024年 | 348人 | 95人 | 27.3% | 517人 |
2023年 | 352人 | 119人 | 33.8% | 662人 |
3年間の推移を見ると、2025年度の国公立合格率39.2%は大幅な改善を示しており、川越高校の進路指導体制の充実とその成果が明確に表れています。2024年度の27.3%から11.9ポイントの向上は、同校の教育改革の効果が結実したものといえます。
県立川越高校の国公立大学の現役合格状況推移|2021年~2025年
最難関大学|東京一科+医学部医学科への現役合格状況の推移
年度 | 合格者数 | 東京大学 | 京都大学 | 一橋大学 | 東京科学大(旧東工大) | 医学部医学科 |
---|---|---|---|---|---|---|
2025年 | 22人 | 6人 | 3人 | 6人 | 5人 | 2人 |
2024年 | 19人 | 3人 | 0人 | 7人 | 7人 | 2人 |
2023年 | 13人 | 4人 | 0人 | 5人 | 2人 | 2人 |
最難関大学レベルでは2025年度の22人が過去3年間で最高実績となりました。特に東京大学6人、京都大学3人の復活は注目に値します。一橋大学への安定した実績も川越高校の社会科学分野での強さを示しています。
難関大学|旧帝大(東大・京大除く)の現役合格状況の推移 ※医学部除く
年度 | 合格者数 | 北海道大学 | 東北大学 | 名古屋大学 | 大阪大学 | 九州大学 |
---|---|---|---|---|---|---|
2025年 | 20人 | 8人 | 10人 | 0人 | 0人 | 2人 |
2024年 | 21人 | 4人 | 15人 | 2人 | 0人 | 0人 |
2023年 | 26人 | 10人 | 11人 | 0人 | 2人 | 3人 |
東北大学への安定した実績が特徴的で、地理的な近さと研究環境の充実により川越高校生の主要な進学先となっています。北海道大学への志向も高く、多様な地域での学びを求める姿勢がうかがえます。
準難関大学|TOCKY(筑波・お茶の水女子・千葉・神戸・横国)への合格状況の推移 ※医学部除く
年度 | 合格者数 | 筑波大学 | 千葉大学 | 横浜国立大学 | 神戸大学 |
---|---|---|---|---|---|
2025年 | 23人 | 3人 | 9人 | 11人 | 0人 |
2024年 | 14人 | 6人 | 3人 | 5人 | 0人 |
2023年 | 26人 | 12人 | 5人 | 9人 | 0人 |
2025年度は23人と回復基調にあり、特に横浜国立大学11人、千葉大学9人の実績向上が目立ちます。関東圏の国公立大学として安定した人気を保っています。
関東圏国公立大学の現役合格状況の推移 ※医学部除く
年度 | 合格者数 | 埼玉大学 | 東京農工大学 | 電気通信大学 | その他 |
---|---|---|---|---|---|
2025年 | 50人 | 20人 | 15人 | 5人 | 10人 |
2024年 | 30人 | 10人 | 6人 | 7人 | 7人 |
2023年 | 43人 | 18人 | 10人 | 5人 | 10人 |
2025年度は50人と大幅増となり、地元埼玉大学20人をはじめ、関東圏の国公立大学への進学が活発化しています。
県立川越高校の私立大学の現役合格状況の推移|2021年~2025年
最難関:早慶上理医の現役合格状況の推移
年度 | 早慶医 | 上智・理科大 | 合計 |
---|---|---|---|
2025年 | 97人 | 64人 | 161人 |
2024年 | 78人 | 52人 | 130人 |
2023年 | 82人 | 69人 | 151人 |
早慶上理への合格者数は2025年度161人と大幅改善を示しており、特に早慶97人の実績向上が顕著です。
私立難関大学|GMARCHの現役合格状況の推移
年度 | 合格者数 | 明治大学 | 法政大学 | 中央大学 | 立教大学 | 青山学院大学 |
---|---|---|---|---|---|---|
2025年 | 255人 | 96人 | 59人 | 41人 | 34人 | 11人 |
2024年 | 221人 | 85人 | 41人 | 46人 | 24人 | 17人 |
2023年 | 305人 | 111人 | 72人 | 50人 | 42人 | 13人 |
GMARCH合格者数は年度による変動がありますが、255人という2025年度の実績は安定した水準を示しています。
その他私立大学の現役合格状況の推移
年度 | 芝浦工業大学 | その他大学 |
---|---|---|
2025年 | 58人 | 131人 |
2024年 | 18人 | 148人 |
2023年 | 39人 | 167人 |
芝浦工業大学への進学が活発化しています。その他大学の合格者数は減少傾向にありますが、早慶上理、難関国公立の合格者は増加していることから、より上位の大学への挑戦傾向にあると推測されます。
県立川越高校の3年間の教育・進路指導プログラム
川越高校では、進学型単位制による個別最適化教育と充実した進路指導プログラムを実施しています。
進学型単位制による個別最適化教育
希望進路に応じた類型制
川越高校では、生徒一人ひとりに最適な授業構成ができる自由度の高いカリキュラムを提供しています:
- 1年次:全員が英数国を中心に共通科目を学習し、学力の基礎を築きます
- 2年次:理系・文系に分かれ、早い段階から大学受験に対応する力を身につけます
- 3年次:幅広い科目選択を行い、希望進路実現のためのより実践的な授業に臨みます
少人数授業の充実
- 3年生では少人数授業を多数展開
- きめ細やかな学習指導が可能
- 「トータルコーディネート」による最適な授業選択
充実した学習環境
県下有数の設備
- 全教室に冷暖房を完備
- 別棟の図書館と最新実験機材を揃えた普通特別教室棟
- 進路資料室には数々の大学の過去問や受験関連情報を整備
学習時間の確保
- 土曜日午前中は隔週で授業を実施(公開授業)
- 月曜日と水曜日の授業は7時間目まで
- SHR前の10分間はプリント等で朝自習
- 生徒の働きかけによる自主ゼミ
- 夏季休業中は基本調査を実施(100時間以上×190人受講)
- 下校時刻を極力削減(19:00、自習室19:30、図書館20:00に延長)
万全の大学入試改革対応
川越高校では、2021年度大学入学共通テストの導入、2025年度の新教育課程入試における変更など、進行形で進んでいる大学入試改革に対応できる教育システムを構築しています。予測不能な現代社会に対応できる人材育成を目的とし、大学においても社会においても様々な状況で力を発揮できる人材の育成を目標としています。
進学型単位制で切り拓く、文武両道の未来への道
県立川越高校は、「克己・進取・至誠」の校訓のもと、進学型単位制による個別最適化教育を実践する伝統ある男子校です。2025年3月卒業生の国公立大学合格率39.2%、東京大学6人、一橋大学6人合格という実績は、同校の教育改革の成果が結実した証といえます。運動部からも難関大学合格者を多数輩出する文武両道の実践、きめ細やかな少人数授業、ICT教育の推進など、時代の変化に対応した教育システムが生徒一人ひとりの可能性を最大限に引き出しています。
進学型単位制により、各自の希望進路に応じた最適なカリキュラムが組める自由度の高さは、川越高校の大きな魅力です。充実した設備環境の中で、国公立大学志向の高い教育を受けながら、私立大学への併願も含めた戦略的な受験指導により、多様な進路実現を可能にしています。高い志と確かな実力を身につけたい中学生にとって、川越高校は理想的な学習環境を提供する選択肢といえるでしょう。
